令和6年度税制改正大綱では、交際費等の損金不算入制度について、交際費等の範囲から除外される飲食費の金額基準を「1人当たり1万円以下(現行:5,000円以下)」に引き上げることが示されました。金額基準の引上げのみの改正となるため、飲食費の定義のほか、一定の事項を記載した書類の保存が適用要件となることに変更はありません。
令和6年4月1日以後に支出する飲食費から適用される予定となっています。
<1> 留意点
・ 「接待飲食費の50%損金算入特例」と「中小企業の定額控除限度額(年800万円)の特例」の適用期限を令和9年3月末まで3年延長することが示されています。
資本金1億円以下の中小企業は「接待飲食費の50%損金算入特例」の選択も可能です。
・ 現行の「飲食費の5,000円基準」では、交際費等の範囲から除外される一人当たり5,000円以下の飲食費について、一定の事項を記載した書類を保存することが必要とされています。令和6年4月1日以後の支出に係る「飲食費の1万円基準」についても、書類への記載事項や保存要件に変更はない予定です。
・ インボイス発行事業者ではない飲食店で店内飲食(適用税率10%)を行った場合の10,000円の判定のボーダーは令和5年10月1日から3年間は仕入税額相当額の20%を対価の額に含めるため、一人当たり「税抜9,804円(税込10,785円)」となります(1円未満の端数切捨てを前提)。
<2> 参考 「飲食費の5,000円基準」に係る書類への記載事項
② 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
④ 飲食費の額並びに飲食店、料理店等の名称及びその所在地(店舗を有しないことその他の理由により名称又は所在地が明らかでない場合は、領収書等に記載された支払先の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地が記載事項となる)
⑤ その他飲食費であることを明らかにするために必要な事項