今回は、最近の地価の動向とともに令和3年度税制改正の改正点、「土地の固定資産税の課税標準額・税額の据え置き」についてご紹介いたします。
1. 公示地価の下落
先月、国土交通省が発表した令和3年1月1日時点の公示地価は、全国の商業・工業・住宅の全用途平均で前年比マイナス0.5%となり6年ぶりの下落に転じました。
公示地価とは、適正な地価の形成のため国が公表しているもので、一般的な土地の売買の際の指標等の基準となっています。
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言、外出自粛、訪日観光客の減少に伴う飲食業・宿泊業・小売業の不振が、商業地を中心に地価を押し下げる要因となっています。
一方で、リモートワークの拡大等による都市近郊で中古マンションや別荘を求める動きがみられます。特に、長野県軽井沢町では前年比10%上昇した地点がございます。
総評しますと、公示地価は、商業地を中心に全体的に下落しているものの、住宅地等の地価は堅調とみることができます。
令和3年度の税制改正において、同年度の課税標準額を令和2年度と同額とする負担軽減措置が取られることになりました(令和3年度に限る)。
土地の固定資産税は3年ごとに公示地価に基づいて評価額が見直されます。令和3年度は評価替えの年にあたり、通常前年1月(=令和2年1月)の公示地価を基準に評価額が定められるところですが、先述の新型コロナウイルスによる地価の下落に鑑み、下記の改正が行われました。
固定資産税評価額が上がった場合⇒令和2年度の税額を据え置き(令和3年度に限る) |
固定資産税評価額が下がった場合⇒下がった固定資産税評価額に基づき課税 |
なお、負担調整措置(固定資産税額評価額が増額した場合に、税負担の急増を緩和する仕組み)については、令和3年度から令和5年度までの間、継続することとされています。
会社設立から組織再編、事業承継、相続など
「もう少し詳しく知りたい、相談したい」という方、
どうぞご一報ください。