富裕層への課税強化が厳しくなっている昨今。今回は、国税局や税務署が富裕層への課税強化のためにどのような取り組みをしているかをご紹介いたします。
1. 上位富裕層への対応
全国の国税局等には、超富裕層を対象に特別な管理体制を敷く重点管理富裕層プロジェクトチーム(PT)が置かれており、東京、大阪、名古屋、関東信越国税局管内の一部税務署では、一定の富裕層に該当する者を「上位富裕層」として管理する取組みが始まっています。
国税庁では富裕層・超富裕層と認定する金額基準は具体的に公表していませんが、一般的に資産規模1億円以上の層は富裕層、5億円以上の層は超富裕層とされております。
下図のように上位富裕層に対しては、事案ごとに法人税、資産税、個人課税の担当者らがチームを組んで管理・調査をしています。
専任官は上位富裕層の方を把握するため、まずは上位富裕層の方、その関係個人や関係法人の抽出を行います。そして、上位富裕層グループに係る資料情報の集積と分析、調査企画及び情報提供、さらに、上位富裕層名簿を作成し、国税局に提出しています。
具体的な集積資料については、所得税確定申告書等、国外送金等調書、国内外の財産調書、インターネット情報等が挙げられ、これらを基に情報を蓄積していると考えられます。
このように税金の種類に関係なく情報が収集されるため、その情報を基に税務調査に入ることが予想されます。そのため指摘を受けない事前対策がより重要となって参ります。
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