国税庁が2021年分の路線価を発表しました。路線価とは、主要道路に面した土地の1㎡あたりの標準価格で、毎年7月1日に発表されます。土地の価格を示す指標には、他にも公示価格や実勢価格など様々なものがありますが、 路線価は相続税や贈与税の算定基準として使われます。
✧ 都内の路線価、8年ぶりに下落
東京都内の路線価は前年比1.1%下落しました。前年比10%以上下落したのは2地点で、浅草・雷門通り(△11.9%)、秋葉原・中央通り(△10.5%)です。下落率の上位には上野や銀座など都心部の商業地が並び、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた形です。路線価の全国トップは36年連続で銀座5丁目・鳩居堂前ですが、9年ぶりに下落し、
1㎡あたり4,272万円と昨年4,592万円から下落率は7%でした。
全国でみると、前年比0.5%の下落となりました。前年の路線価(2020/1/1時点)には新型コロナウイルスによる影響は反映されていませんでしたので、下落は実に6年ぶりのことです。路線価は1月1日時点での評価であるため、今年に入って発令された緊急事態宣言等の影響は反映されていません。昨年2020年分の路線価について、国税庁は既に2020年7~12月分の大阪市の路線価を減額補正しています。今後も動向に注意が必要です。
郊外の住宅地では上昇している地点もあります。東京近郊では横浜駅西口で3.1%上昇、千葉駅前で3.5%上昇しており、在宅勤務の広がりやオフィスの分散化が周辺地域の地価を押し上げている可能性が考えられます。
✧ 銀座K.T.C税理士法人の「相続カルテシステム」では、毎年の路線価に合わせ土地評価を最新のものに更新し、相続税のシミュレーションを行います。路線価の下落は、相続税評価額の減額要因となります。下落を好機ととらえ、相続に備えるタイミングと考えることもできるでしょう。
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