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K.T.Cトピックス

資産税 2021年9月10日

2種類の贈与税課税制度  資産税編 Vol.36

 近年、相続税と贈与税の一体化が注目を集めており、K.T.Cトピックスにおいても取り上げて参りました。今回は、現行の贈与税の課税制度である「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」を改めて、ご紹介いたします。

1. 贈与税の意義
 贈与税は、生前贈与により財産を取得した際に、その財産を取得した者(受贈者)に対して、その取得した財産の価額を基準として課される税金です。
 贈与税は、生前に財産を贈与することによって相続税を回避することを防止するためのものであり、相続税を補完する役割を担っています。また、2種類の課税方法が存在し「暦年課税制度」、「相続時精算課税制度」と呼ばれます。

2. 暦年課税制度

 暦年課税制度とは、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の額から基礎控除額である110万円を差し引いた価額に税率(10%~55%)を乗じて贈与税を計算する方法です。基礎控除額の110万円以下の財産の贈与については、贈与税がかからない為、1年間の贈与額を少額にし、人数と年数を多くすれば贈与税の負担を軽減する効果が期待できます。
 しかし、暦年課税制度には「相続発生より前の3年以内に贈与で取得した財産は、相続税の課税対象となる」規定があるため注意が必要であり、相続税の軽減のための生前贈与は早いうちから始めたほうが良いということになります。

3. 相続時精算課税制度

 相続時精算課税制度とは、60歳以上の親等から20歳以上(2022年4月以降は18歳以上)の子や孫が贈与を受けた場合、財産の額から特別控除額である2500万円を差し引いた価額に一律20%の税額を乗じて贈与税を計算する方法です。
 贈与財産は最終的に相続税の計算に取り込まれるので、相続税の課税対象財産を減らす効果はなく、相続税の前払いとしての性格を有します。
相続時精算課税制度は、2500万円までの財産の贈与については、贈与税がかからない点、税率が一律20%であるという点、早いうちから財産形成と納税資金の確保が出来る点などの特徴がある税制だと言えます。
 しかし、一旦相続時精算課税制度を選択すると暦年課税制度への変更が認められない為、注意が必要です。

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