不動産の相続税評価を巡り、大きな注目を集めた訴訟の最高裁判決が4月に出ました。今回はその内容についてご紹介いたします。
1. 訴訟の概要
相続税法では、相続で取得した財産は「時価」で評価すると規定しています。しかし、公平性の観点から、国税庁は原則として路線価で評価するという通達を出しています。この通達には「路線価で評価することが著しく不適当と認められる場合、国税庁長官の指示で再評価できる」とする規定(6項)が含まれており、6項は原則を覆す例外規定である為、俗に「伝家の宝刀」と言われています。今回の事案では、税務署が6項を適用し、路線価評価ではなく鑑定評価額を採用、約3億3,000万円の追徴課税を課しました。その妥当性が問われた訴訟が2017年から続き、最高裁の判断に注目が集まりました。
今回の判決で注目すべき点は、6項の適用について節税意図や節税行為が必要であるとした点です。不動産を利用した節税は広く行われていますが、事案のような行き過ぎた行為には警鐘を鳴らす司法判断となりました。
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