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K.T.Cトピックス

資産税 2022年11月10日

生前贈与 相続税への加算期間を拡大か?
資産税編 Vol.50

 財務省は令和5年度税制改正に向け、相続・贈与制度の見直しを検討しています。政府税制調査会は今秋、相続税等の専門家会合を設置し具体的な議論を進めています。

◆ 現行の制度

 贈与税には「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」という2つの制度があります。「暦年課税制度」には年110万円の基礎控除があり、110万円以下であれば無税で資産移転が可能です。また、110万円を超える贈与であっても相続税率と比較して贈与税率が低い範囲で生前贈与を行うことで税負担を軽減することが可能で、広く利用されてきました。
 一方で、死亡前3年間に行われた相続人への贈与は、相続財産として相続税に加算して相続税が課税されます。

◆ 専門家会合を設置
 政府税制調査会が設置した「相続税・贈与税に関する専門家会合」では下記の3つの観点を踏まえた検討をする方向性が示されました。
 ①相続時精算課税制度の使い勝手の向上
 ②暦年課税による相続前贈与の加算期間の見直し
 ③贈与税の各種非課税措置の見直し
※②について、110万円の基礎控除は維持したまま、相続税に加算する対象期間を5~10年間を目安に延長する方向で議論が進められています。
◆ 令和5年税制改正大綱で加算期間を延長する方針か?

 この見直しについて、「生前の早い段階で贈与を促し、若年層に資産が移りやすい仕組みを整える。資産を移す時期によって税負担が変わる影響も抑える。」と国は説明していますが、実際には生前贈与による節税封じと考えられています。具体的な延長年数や、移行期間が設けられるか等は未定であり、今後の動向に注意する必要があります。

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