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K.T.Cトピックス

資産税 2024年3月10日

相続時精算課税制度を利用する場合の注意点
資産税編 Vol.66

Vol.63では、R6年からの相続時精算課税制度の改正点についてご紹介しました。
今回は相続時精算課税制度を利用する上での注意点をご紹介致します。

1.  相続時精算課税制度とは
 相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母、祖父母から18歳以上の子や孫に財産を贈与した場合に選択できる制度です。税務署へ一定の書類の提出は必要ですが、相続時精算課税制度を選択すると、贈与する人1人当たりにつき特別控除2,500万円の枠がありその範囲内であれば贈与税を納めずに贈与を受けることができます。
 贈与を受けていった結果、贈与を受けた財産の価額の累計額が2,500万円を超えると超えた部分について一律20%の贈与税が課税されます。
 令和6年1月から改正され、上記2,500万円にプラスして毎年110万円の非課税枠が新たに設けられました。
 一見、とてもお得に感じる相続時精算課税制度ですが、一度選択するとその贈与者からの贈与については暦年課税への変更ができないなど注意すべき点があります。
① 贈与者と受贈者の範囲が決まっており、贈与者は60歳以上の直系の親や祖父母、受贈者は18歳以上の直系の子や孫などに限られます。(祖父母から孫への贈与について贈与した祖父母に相続が発生し相続税が発生する場合は、孫に対し通常の相続税に2割ほど相続税が加算されます。孫が代襲相続人になっている場合は加算されません。)
② 毎年110万円を超える贈与については、贈与者が死亡した場合に必ずその贈与した財産をその贈与者の相続財産として相続税の課税対象に含める必要があります。(毎年110万以下の贈与であれば相続財産に含める必要はありません。)
③ 相続で取得した自宅や収益物件については、要件を満たせば小規模宅地等の特例という優遇措置を受けることが出来ますが、贈与で取得した自宅や収益物件については小規模宅地等の特例は使えません。
④ 不動産取得税や名義変更の際の登録免許税が相続と比べ贈与の方が割高となります。
 相続時精算課税制度に非課税枠が設けられたことにより今までより使いやすくなったと言われていますが、簡単に相続時精算課税制度を利用すると思わぬ税負担が発生する可能性もあります。相続時精算課税制度のご利用をお考えの方は、一度相続専門の税理士事務所に相談されることをお勧めします。
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