国土交通省は3月26日、2024年の公示地価を発表しました。公示地価とは、企業や個人の土地取引のほか、公共事業用地の取得に関する価格の目安となる土地の価格です。土地を更地として扱い、不動産鑑定士が評価します。建築物の価値は含みません。
1. 全国で2.3%上昇 バブル期以来の伸び
公示地価(全用途)の全国平均は前年比2.3%上昇し、伸び率はバブル期以来33年ぶりの高さでした。バブル崩壊後、日本の地価は長く低迷を続けましたが、日経株価最高値更新や物価上昇、賃上げの勢いを受け、日本経済はターニングポイントを迎えていると言えます。
2. 東京23区下落地点なし オフィス・マンション需要堅調
東京都全域の公示地価は全用途、住宅地、商業地いずれも3年連続で上昇しました。23区の商業地で上昇率が最も高かったのは台東区の9.1%です。コロナ禍の収束を受け、国内外の観光客増加が要因です。また、オフィス回帰の動きも鮮明で、「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」や「麻布台ヒルズ」などの大型ビルのオープンが続きました。
一方、23区の住宅地は5.4%上昇しました。富裕層が多い都心区を中心にマンション需要は堅調に推移しています。地価高額地点としては、「港区赤坂1-14-11」が7年連続首位で、1平方メートルあたり535万円でした。
3. 不動産に関する動向 ~相続登記義務化、いよいよスタート
ところで、2024年4月1日から相続登記の義務化がスタートしました。相続等によって不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。義務化は過去の相続にも遡って適用されます。
地価上昇を受け、今後も土地取引が活発化することが予想されます。いざという時にスムーズに動けるよう、登記が正しいか見直してみてはいかがでしょうか。