1. 相続登記の義務化とは
相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になりました。正当な理由が無いのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が課される可能性があります。
2. 相続登記の義務化の背景
これまで、相続登記が任意とされていたため、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化や公共工事の阻害などといった社会問題になっていました。
この問題解決のため、2021年に法律が改正され、これまで任意だった相続登記が義務化されることになりました。
3. 過去の相続も適用対象
相続登記の義務化は過去の相続にも遡って適用されます。
2024年4月1日より前に相続した不動産で、未だ相続登記がされていないものについては、2027年3月31日(不動産を相続で取得したことを知った日が2024年4月以降の場合は、その日から3年以内)までに相続登記をする必要があります。
4. 期限内の登記が難しい場合について
期限内(3年以内)に相続登記をすることが難しい場合に、簡易に相続登記の申請義務を履行することができる制度として「相続人申告登記」が新たに設けられました。
「相続人申告登記」は、直ちに遺産分割や相続登記の申請をすることが難しい場合などに、登記義務を果たすために利用することができます。