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資産税 2025年12月10日

孫への生前贈与による相続税対策 資産税編 Vol.87

 人生100年時代と言われ、平均寿命が伸びているため、80代~90代の親が亡くなり、60代から70代の子どもが相続することが増えてきています。
 60代から70代の子どもが財産を相続するよりも、その次の世代である孫の方が財産を必要としているケースが見受けられるため、生前贈与により孫に財産を承継して、相続税対策を行うことも選択肢になるかと考えます。

✧ 暦年贈与による孫への生前贈与

 孫への生前贈与として、教育資金等の贈与の特例や結婚子育て資金の贈与の特例など非課税の範囲内で贈与する方法がありますが、条件が揃わないと難しい一面がありますので、暦年贈与が比較的簡単に贈与できる方法になります。
 なお、相続開始前7年以内(令和6年1月1日以後の贈与について段階的に適用)に贈与された財産は相続財産に持ち戻して、相続税が課税される生前贈与加算という制度がありますが、孫への暦年贈与であれば、下記の状況である限り基本的には相続時の持ち戻しの対象とはなりません。
・相続時精算課税制度による贈与を受けていない
・遺言書による財産の受取人となっていない
・生命保険や死亡退職金等のみなし相続財産の受取人となっていない
・法定相続人となっていない

 また、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の孫であれば、通常より低い贈与税率で贈与をすることができます。
※暦年課税とは?
 その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から暦年課税に係る基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対して贈与税を課する制度(国税庁HPより)

✧ 相続税の2割加算

 法定相続人となっていない孫が遺贈等により財産を取得すると、通常の相続税額に2割が加算されてしまう制度がありますが、贈与には2割加算の適用はされないため、相続税の一世代飛ばしが有利な形で行うことができます。

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