前回は在宅勤務費用を給与として課税する(源泉徴収する)かの判断についてご案内いたしましたが、今回は、法人が従業員の感染予防対策費用を負担した場合の取扱いについてご案内させていただきます。
【1】マスク、石鹸、消毒液等の消耗品の購入費
→ 原則として従業員に対する給与として課税する必要はありません。
ただし、勤務外で使用するマスク等の費用や、実費精算ではなく返還不要の金銭を支給する場合などは課税する必要があります。
【2】従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、イス、机などの備品購入費
→ 原則として従業員に対する給与として課税する必要はありません。(所有権が従業員にある場合を除きます。)
ただし、勤務とは関係なく使用する電化製品など業務外で使用するものや、実費精算ではなく返還不要の金銭を支給する場合などは課税する必要があります。
【3】感染が疑われる場合のホテル等の利用料、ホテル棟までの交通費など
→ 職場以外の場所で勤務することを企業が認めている場合の利用料、交通費など、又は企業の旅費規程等に基づいて企業が従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税する必要はありません。
ただし、従業員が自己の判断によりホテル等に宿泊した場合の利用料や、実費精算ではなく返還不要の金銭を支給する場合などは課税する必要があります。
【4】PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用など
→ 企業の業務命令により受けたPCR検査費用や、テレワークに関連して業務スペースを消毒する必要がある場合の費用などについては、従業員に対する給与として課税する必要はありません。
ただし、従業員が自己の判断により受けたPCR検査費用や、従業員が自己の判断により支出した消毒費用などや、実費精算ではなく返還不要の金銭を支給する場合などは課税する必要があります。
※出典 国税庁ホームページ
在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)